ユリブロ

女装子ゆりの人生苦節40年、血と汗と涙の結晶。美容を中心とした雑記ブログです。

若者へ〜ど根性ガエルと私

 

マッサージのお仕事のいいところは、色んな年代のお客様と接する機会があって、上は70代〜下は20代、様々な人とお話しすることができるというところです。

 

予約してこられるメールの内容も、年配の人と若い人とは全く違います。歳を聞かなくても、メールの文面から伝わる空気でその人が何歳くらいなのか何となく分かります。

 

年配の方は、とても律儀で礼儀正しい方が多いです。社会人として様々な修羅場をくぐり抜けてきただけあって、とても謙虚で全ての想定されうるトラブルを回避するための所作を心得ておられます。

 

対して若者は、それとは逆で何でも知りたがって興味津々、構ってほしくてイタズラする子どものようになるときもあります。可愛い反面そんな面がたまにウザく感じる時もあります。愛されたいといつも思っていて、それが叶わない様子で、悩んだり甘えたり、時には怯えたりしているものです。

 

私は結婚もしていませんし、子供もいませんけど、子供を育てるって大変でしょうね。背伸びして粋がる子供に対して、怒ったり、時には、お互いに泣き合ったりしながら、人に謙虚に生きていくことを教えるのは本当に大変だろうなと思います。

 

今日はそんな子供や若者がどうしたら、この先の人生うまく生きていけるのかというメッセージを自分なりに考えたいと思います。

 

 

若者へ、自分を大切に

 

私がこれまで生きてきて辿り着いたのは、結局のところ、シンプルに言えば、一度きりの人生を大切にしようということ。余計なことは考えないで、自分のやりたいことを思い切りやってほしいなと思います。

 

悩める若者を見て、少しだけ年老いた自分が思うのは、何がそんなに若い人達を悩ましているのかということ。それは勿論生きることが大変で、社会で生きていく上で、色んなマナーを覚え、人付き合いをし、身が削られる思いをしながら悩んで学んで進んでいくこともそう。そこに苦しさがあるのは確かだけど、単純にそうやって階段を登っていくだけでは救われない人がいる。そんなモヤモヤが悩める若者の心のなかにはあるのかなと思います。

 

 

若い頃を思い出すと、私が好きになった20年前の彼女は、欲しくてもどう足掻いても手に入れられない壁がありました。そんな時、悔しい気持ちや情けない気持ち、色んな気持ちが胸にこみ上げて胸が張り裂けそうになったこと今でも覚えています。しかし、もしも今の私が同じ環境に置かれたとしたら、今の私ならそんなことは全く気に留めません。その違いは何なのでしょうか?

 

あの時と今、何が違うのか、それは社会の中で自分というものがどういう存在なのかを知っているか、知らないかということ。それを知っていれば、むやみに欲しがることはしないし、自分の手に入れることのできる所から欲しいものを手に入れればいいし、どうしても欲しいならそれ相応の努力が必要と、心に言い聞かせればいい。

 

そう、あれから20年、時を経て変わったのは、世界知り、その世界の中の自分を知ったことです。

 

よくその彼女に言われました「〇〇さんは甲斐性がないから、、」

確かに当時の私には甲斐性がなくて、お金もなければ、人をリードする自信みたいなものもなく、気の利いた話もできないし、何もありませんでした。

私は当時、とても苦しくて悔しくて、彼女をとても上手に扱って笑わせられる年配の男性の人たちに嫉妬しては、自分自身もがき苦しんでいました。

しかし、そうしてもがけばもがくほどに、その彼女が欲しい、欲しくてたまらない気持ちが湧き上がり、考えれば考えるほど胸は熱くなり、好きだという気持ちだけが、何もできない自分を突き動かしていたのでした。

 

喩えれば、自分の中にいる“ど根性ガエルのピョン吉”が私が傷つこうが何をしようが言うことを聞かない状況なのです。

 

しかし、いつしか私はそんな状況に耐えれなくなって自ら彼女の前を去りました。その時の気持は、親しい家族と死に別れるほどの辛い気持ちであったことを今でも覚えています。

 

そう決断したのは、諦め燃え尽きたピョン吉でなく、それを側でずっと見ていた私の下した判断でした。

 

そう、冷静なもう一人の私が心を鬼にしてそう決意したのです。

このままでは、相手にも迷惑がかかるし、自分ももっと傷ついてしまうからという理由で苦渋の決断をしたのです。

私の心であるピョン吉はとても傷つき悲しんで、その後、何度も夢の中でうなされたりしていましたが、私は静かに見守っていました。そして時を経て、だんだん傷ついた心も癒えてきました。

その間、勿論私一人の力だけでは立ち直れませんでした。支えてくれた家族や友人の沢山の助けがあってこそ、気力も衰えて仕事も何もかも上手くいかない時期をなんとか乗り越えられたのです。

 

そうしてやっと元気になり始めてしばらく経ちましたが、いつしか私は女装をはじめていました。

元気のなかったピョン吉を少しでも元気にしてやろうと思って、いろんなところを駆けずり回って探して見つけた女装という世界です。そんなピョン吉のことを思って見つけた世界は、人生を何倍も楽しいものにしてくれたのです。

 

そう、20年前の私と、今の私の何が違うのかということ。

もう一度言います。

私が世界を知り、世界の中の自分を知ったから、ピョン吉を救えたのでした。私のピョン吉への愛情が失恋という心の傷から立ち直らせ、人生に光を与えることができたんです。

勿論その大本にあるのは、私の愛情=親や兄弟、友人から頂いた私への愛情です。

 

若者にいいたい。

とにかくしっかりしなさい。

自分を守ってやりなさい。

あなたがしっかりしないと誰があなたを守るんですか?

しっかり頑張って。

人生は一度きり、さあ立ち上がって歩きなさい。

私はいつでもあなたの味方だから。

頑張れ、若者よ。

 

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