ブレゲのお客様と出会う
先日、施術を終えたお客様が時計を腕にはめている時、何気なく
「その時計かっこいいですね」
と言うと、
「これブレゲ、知ってる?」
と返ってきました。
私はブレゲなんて聞いたことも見たこともありませんでした。
「世界5大時計なんやで」
世界5大時計?そんな雲の上の世界の話、高そうだな〜という印象だけです。
「高級時計というとロレックスくらいしか頭に浮かびません」
「ロレックスは5大時計に入ってないんやで」
そうなんです。
後で調べると、
世界5大時計というのは、
パテック・フィリップ
ヴァシュロン・コンスタンタン
オーデマ・ピゲ
以上3つが世界3大時計といわれ、それに加えて
ブレゲ
ランゲ&ゾーネ
以上5つが世界5大時計といわれていて、ブレゲはその1つに数えられているのです。
確かにお客様の身に纏うスーツも鞄もとても高級そうで、脱いでいただいてハンガーにかける時も、私の取扱いに対してお客様の心配そうな視線を感じていました。
ブレゲとは
1775年に時計職人アブラアム=ルイ・ブレゲがスイスで創業した時計ブランドです。
ブレゲは、時計の姿勢差(誤差)を改善するトゥールビヨンや、100年に一度の調整するだけでよいカレンダー機能を有したパーペチュアルカレンダー、それら数々の時計の複雑機能を開発した、時計のレオナルド・ダ・ヴィンチと言われているそうです。
そんな歴史ある高級時計を目にする機会は、40数年生きてきて始めてのことでした。
ブレゲは、宮廷時計師でもあり、かの有名なマリー・アントワネットがブレゲを寵愛していたと言われています。
世界一の懐中時計マリー・アントワネット
マリー・アントワネットといえば、オーストラリアに生まれてフランスルイ16世に嫁いだフランス王妃です。
しかし、1789年〜1799年に起きたフランス革命によってギロチン処刑されてしまう悲劇の王妃で有名ですよね。
イギリスのピューリタン革命に始まり、フランス革命、アメリカの独立革命、そして日本の明治維新に繋がっていく、市民革命という大きな流れに巻き込まれた悲劇のヒロイン。
国は大きな財政赤字を抱え、市民の貧しい暮らしのなか、こういった王族の贅沢な暮らしぶりに革命の火が向けられていったのですね。
高級時計というものも、その贅沢な暮らしぶりの象徴の一旦となるもの。
革命の機運がくすぶる中、マリー・アントワネットはブレゲに全ての複雑機構を有する時計(懐中時計)の注文をします。
それが有名な世界で一番高いと噂される懐中時計、その名も
No.160、別名“マリー・アントワネット”
2500万ポンド、日本円にして35億くらいでしょうか、そんな伝説の時計が誕生したのでした。
しかし、マリー・アントワネットはその時計を受取る前にフランス革命で処刑されてしまいます。
注文した時計が完成したのは、死後30年くらい経ってからというから、まさに悲劇の象徴ともいえます。また、死後も作成を止めなかった時計職人の時計への拘りや執念を感じます。
今やスマホの普及で、時計をする人も少なくなってきている中、時計の根強い人気、人々のこだわり、その高い価値には驚かされますね。
そんな歴史あるブレゲの時計と出会ったというお話でした。
Amazonでブレゲ売ってました
例のごとく、Amazonでフレゲの時計検索してみました。
※画像クリックでamazonでご購入できます。
たしか、私が付いたお客様はこんな感じのものをはめておられたと記憶しています。
これで表示価格213万、見てるとこれでも安い方のようです。
確かに格好いいですが、一体何が違うでしょうか?
余談ですが、Amazonでは高級時計というのは、それほど売ってないんですね。あんまり検索しても出てきません。
高級時計はあまりAmazonなどで買うものではなく、それなりのお店にしか売ってないのですね。
私がいくら憧れても、こういう時計をはめる日は来ないと思いますが、それを目にして歴史の一端を垣間見れただけでも有り難いなと思います。
ご清聴ありがとうございました🙇